こんにちは、那須田んぼ管理人です。
今回は、2025年5月10日と11日の2日間にわたって行われた、我が家の田植え作業の様子についてお伝えします。
前回は4月26日に行った「プール育苗」についてお届けしました。(→「プール育苗」開始。その仕組みとメリット解説(2025年4月26日))。ビニールハウスで育った苗も順調に成長し、いよいよ田んぼへと植え付けられる時を迎えました。
我が家の田んぼは約1町歩ほどの広さがあり、田植えは例年2~3日がかりの作業となります。今年も5月10日(土)と11日(日)に作業を行いました。初日の10日は曇り空で比較的過ごしやすかったものの、翌11日は時折強い風が吹き付けるあいにくの天候となりました。必ずしも恵まれた条件ではありませんでしたが、前回の種まきの際もお世話になった親戚の方々の力も借り、なんとか2日間で無事に作業を終えることができました。
今回は、そのような天候の中で行われた田植えの様子をお届けします。
私は農業未経験ですが、那須塩原で農家を営む両親と暮らしています。専門家ではない視点から、農業のリアルな姿や課題を分かりやすくお伝えし、私自身も学びながら皆さんと一緒に食と農を考えたい。そんなブログを目指しています。
育苗の最終段階と田植え準備

田植えを数日後に控えた5月5日、ビニールハウスの中では苗箱に整然と並べられた苗が、田んぼへの出番を待っている状態でした。
4月下旬から始まったプール育苗により、苗は常に適切な水分を吸収し、均一に成長しているように見受けられます。葉の色は鮮やかな緑色で、一本一本がしっかりとしていました。
苗箱を持ち上げて裏側を見ると、白い根が箱の底まで伸び、マット状に程よく絡み合っているのが確認できます。この根のマットがしっかりと形成されていることが、田植え機で苗をスムーズに、そして正確に植え付けるための重要なポイントとなります。
父は苗の状態を確かめ、「今年の苗は順調で、田植えに適した良い状態だ」と話していました。
田植え前の水田の状態

田植え当日(写真は5月11日の朝に撮影)、作業を控えた水田は、数日前に行われた代掻き(しろかき)によって土の表面がきれいに均され、一面に水が張られていました。
この代掻きという作業は、土を細かく砕いて田んぼの床を平らにし、雑草の発生を抑制するとともに、水の保温効果を高めるなど、稲が健全に生育するために欠かせない準備作業の一つです。
水面は、周囲の木々や遠くの山並みを静かに映し出し、まるで水鏡のようでした。水深は、これから植えられる苗が活着しやすいよう、適切に調整されています。田んぼの土は、代掻きによってトロトロとした泥状になっており、これが苗の根付きを促し、養分や水分を保持する役割も果たします。
きれいに整えられた田んぼからは、これから始まる田植え作業への静かな緊張感と、新たな稲作の季節が始まることへの期待感が漂っているようでした。
親族と協力して行った田植え作業の様子

いよいよ田植え作業の開始です。ビニールハウスで育った苗は、苗箱ごと軽トラックに積み込まれ、田んぼへと次々と運ばれてきました。 今回の田植えでは、家族と親戚がそれぞれ役割を分担して作業に臨みました。
まず、父が田植え機の操作を担当。母は、父の作業全般を補佐します。私と親戚のおじさん二人は、苗箱を田植え機のそばまで運んだり、空になった苗箱を回収したり、そして田植え機が通った後のタイヤ跡をならす作業などを担当しました。また、私の妻と小学1年生の息子は、使い終わって泥のついた苗箱をきれいに洗う係として、裏方で作業を支えてくれました。このように、それぞれの持ち場で皆が協力し合うことで、効率よく作業が進められました。

ちなみに、我が家の田んぼは全体で約1町歩の広さがあり、計5つの区画に分かれています。この5つの区画を2日かけて、田植えしていきました。
ここで、田んぼの広さで使われる「町歩」と「反歩」について簡単に説明します。
「1町歩(いっちょうぶ)」は、およそ10,000平方メートル(1ヘクタールとも言います)。これは、一辺が100メートルの正方形と同じくらいの広さで、一般的なサッカー競技場(約7,000平方メートル)より一回り大きいくらいです。
「1反歩(いったんぶ)」は、この1町歩のちょうど10分の1の広さで、約1,000平方メートル。学校にある25メートルプールが大体4つ入る広さをイメージすると分かりやすいでしょう。
私たちが担当したタイヤ跡をならす作業では、今年は例年の土と比較して心なしか柔らかく感じられ、作業が比較的スムーズに進められたのが印象的でした。土が柔らかいことは、もしかすると今後の苗の根付きにも良い影響を与えるかもしれません。
特に今年の田植えでは、父の操作が精密だったのか、植え付けの精度が非常に高く、例年であれば見られる苗の欠株(植え付けられなかった箇所)がほとんどありませんでした。そのため、後から手作業で補植する「差し苗(さしなえ)」の作業が、今年はほぼ不要とのことでした。これは、後の管理作業の負担軽減にもつながる、大変喜ばしいことでした。
田植え完了後の水田の様子

無事に2日間の田植え作業が完了し、約1町歩の田んぼ全てに、若い緑の苗が整然と植え付けられました。初日は穏やかな曇り空でしたが、二日目は時折強い風が吹くなど、天候に左右される場面もありました。それでも、毎年手伝いに来てくれる親戚の方々、そして家族の協力のおかげで、今年もこの大きな農作業の節目を無事に乗り越えることができたことに、安堵と感謝の気持ちでいっぱいです。 これから本格的な夏に向けて、植えられた苗が力強く分けつし、青々とした稲に成長していく様子を、引き続きしっかりと記録していきたいと思います。
次回は、田植え後の水管理の様子や、苗が田んぼにしっかりと根付いてからの初期の成長具合などについて、詳しくお伝えできればと考えています。
今回もお読みいただき、ありがとうございました。
コメント