こんにちは、那須田んぼ管理人です。
ニュースで気になる報道がありました。政府が備蓄しているお米を市場に放出したにも関わらず、スーパーでのコメの平均価格が13週連続で値上がりしているとのこと。
今回取り上げるのはこちらのニュースです。
スーパーのコメ平均価格 13週連続値上がり なぜ価格下がらない
食卓に欠かせないお米が、なぜこれほど高騰し、価格が下がらないのでしょうか? 今回は、このニュースの内容をまとめるとともに、私なりに考えたことを綴ってみたいと思います。
データと証言で見る「コメ不足」のリアル
ニュース記事によると、主なポイントは以下の通りです。
- 全国スーパーでのコメ平均価格(5kg)が3月最終週に4206円となり、13週連続で値上がり。前年同期の2倍超。
- 政府備蓄米の販売が3月下旬から始まったが、価格抑制効果は限定的。
- 要因として、業界全体の「コメ不足感」が根強く、放出された備蓄米の量では需給逼迫を解消できていない。
- 多くのスーパーでは仕入れ価格に変化がなく値下げは困難。中小スーパーでは更なる値上げの動きも。
- 消費者は高値で買い控え傾向(販売量 前年比3.1%減)。備蓄米も身近で見かけず効果を実感しにくいとの声。
- 一方、生産者には品薄懸念から新米の予約が既に相次ぐ。コスト増から高値は助かる面もあるが、消費者の買い控えも懸念。
- 卸売市場では僅かな値下がりも見られるが、全体的な不足感は未解消。専門家は新米が出る秋まで価格は高止まりか横ばいと予測。
- 政府(農水相)は備蓄米放出に慎重姿勢を示しつつ、市場の流通正常化を促す考え。
減反、担い手不足、価格高騰の裏にある日本の農業構造とは
今回のニュースを読んで、皆さんはどのように感じられたでしょうか。
私や私の家族、親戚、そして周りの知人には、実家を含め農家と直接的な繋がりがあるケースが少なくありません。そのため、お米は知り合いの農家さんから直接購入することが多く、報道されているような「コメ不足」を肌で感じる機会は、正直なところ私の周りではあまり見られません。改めて、生産者の方々との直接的な繋がりがいかに大切かを実感しています。知り合いの農家さんがいれば、比較的安心して、適正な価格でお米を手に入れることができる。これは、ある意味でとても恵まれた環境なのかもしれないと感じます。
ただ、一方で、スーパーに並ぶお米の価格を見ると、状況は異なります。 確かに、記事にあるように「去年の倍」とまでは言わないまでも、明らかに値段が上がっているのを目の当たりにします。(これは、お米に限らず多くの食品で感じることですが。)
純粋に消費者としての目線で見ると、これだけ急に価格が上がってしまうと、家計への負担は本当に大きいです。毎日食べる主食であるお米が高いとなれば、「今日はパスタにしようか」「うどんも安いな」「パンの消費を増やそうか」と考えるのは、ごく自然な流れだと思います。この状況が続けば、ますます日本の食卓からお米が遠ざかる「米離れ」が進んでしまうのではないか、という懸念も感じずにはいられません。
では、なぜ今、これほどお米の価格が高騰し、「不足感」が生まれているのでしょうか。 ニュースでは様々な要因が語られていますが、個人的には、長年にわたって行われてきた「減反政策」によるコメの生産量減少が、現在の供給不安に影響しているのではないか、という印象を持っています。(もちろん、断定はできませんし、天候不順など他の様々な要因も複雑に絡み合っているのだと思います。)
それに加えて、以前、「農家の時給は10円」は本当か?那須の専業農家の視点から考える、日本の農業の厳しい現実でも触れた、長引く米価の低迷によって稲作農家さんの収益が圧迫され、結果として農業を辞める方や規模を縮小する方が増え、担い手が減り続けていることも、根本的な要因の一つだと考えられます。作る人が減れば、供給量が減るのは当然の流れです。
今回の価格高騰は、単なる一時的な現象として片付けるのではなく、日本の稲作農業が長年抱えてきた構造的な問題(生産調整のあり方、適正な価格形成、担い手不足など)が、ここにきて一気に表面化した結果なのかも。そんな風に感じています。
食卓の未来は?コメ価格から考える日本の農業課題
備蓄米の放出という対策が取られても、なかなか下がらないお米の価格。今回のニュースは、お米の値段が単なる市場原理だけでなく、生産調整、生産者の経営状況、流通、そして私たち消費者の意識や不安感といった、多くの要因が複雑に絡み合って決まっていることを改めて示しているように思います。
生産者の方々にとっては、コストに見合った価格でなければ継続が難しく、一方で消費者にとっては、日々の生活に直結する大きな問題です。この難しいバランスの中で、日本の主食であるお米、そしてそれを支える農業が、これからどうなっていくのか。
このブログを通じて、今後もこうした食と農に関するニュースや課題に目を向け、皆さんと一緒に考えていければと思っています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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